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急転直下11

Penulis: 相沢蒼依
last update Tanggal publikasi: 2026-01-08 15:01:22

***

『何はともあれ、よろしくお願いします。穂高さん、頼りにしていますから』

 元気よく告げた千秋が、唐突に電話を切った。仕事中にかけているから、慌てて切ったのかもしれないな。

 ぼんやりとそんなことを考えてスマホをテーブルの上に置き、頬をばしばしと叩きながら自分なりに気合を入れてみた。

 頼りにしていますから……なんて言われてしまったら、肩に力が入って変なことを口走る恐れがある。

 だからこそ、気合を入れてみたのだが――前回、千秋を攫う形で家を出ている手前、正直お父さんには顔を合わせづらいのは確かだ。

 大事な息子を奪った俺が船着場で待っていたら、間違いなく不機嫌になるであろう。そんな顔色を窺いながら話しかける第一声は、何がいいだろうか。

(考えたいのは山々だが、とりあえず顔を洗ってすぐに着替えなければ!)

 島に来るフェリーの数は多くないため、到着時間が頭にしっかりと入っていた。慌てて現在の時刻を確認してみたら早々に準備しないと、お父さんに逢えなくなってしまう時刻だった。

 ばばっと顔を洗い、手早く歯磨きして洗面所を出てから着替えるべく、洋服を入れてある押入れの前に赴いたのだが
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  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   ―純血の絆―②その10

    抱きしめていた千秋の膝裏に腕を差し込み、力なくぐったりしたままの躰を横抱きにして、ふらつきそうになる足元を何とか踏ん張りながら立ち上がった。「穂高……」「父さん俺はこれから何度も、千秋が苦しむ姿を見なければならないんですね。俺の血を飲んだせいで」 俺と出逢ってしまったがために、千秋の運命を変えてしまった。そのことを考えるだけで、俺たちの明日(しょうらい)には光が見えないが、それでもこの手で彼を守っていく。それは自分のためじゃなく、千秋がいつでも笑っていられるように。「自分だけを責めることはありません。私にもその責任があるのですから」「ですが俺がヴァンパイアじゃなかったら、こんな苦しい目に遭わなくて済んだのに」「穂高さ……、俺は嬉しいんだよ」 ひどく掠れた声が部屋に響いた。 ハッとして腕の中にいる千秋を見たら、人間の姿になりかけている彼が柔らかくほほ笑みかけていた。ルビーのように赤い瞳は片目だけで、それだけでも随分と印象が違って見えた。「大丈夫ですか? 千秋」 父さんが心配そうに顔を覗き込みながら、両腕が塞がっている俺の代わりに千秋の前髪を撫でてくれた。「まだ頭がくらくらしています。でも穂高さんがこうして抱きしめているから、さっきよりはマシになってます」「千秋、どうして君は嬉しいなんてことが言えるんだ。本当は辛くて堪らないだろうに」「穂高さんが思ってるような辛さはないから、そんな顔して心配しないで」 躰に感じる違和感を悟られないようにするためなのか、所々声を震わせながら心配するなと言うなんて、俺はどうしたらいいんだろうか。「穂高、このままでいても彼が休まらないでしょうし、先ほど案内した部屋に連れていくといいでしょう。千秋、無理せずゆっくりしてくださいね」 父さんの言葉に頭を下げて、踵を返し部屋を出た。 玄関ホールにある螺旋階段を上りかけたとき、千秋が俺の首にぎゅっと縋りつく。密着した部分から人間らしいぬくもりを感じて、心から安堵した。「穂高さん、俺を嫌いになった?」 階段を上りきって廊下を突き進んでいる途中に話しかけられた質問は、どうしてそんなことを訊ねてくるんだろうかというものだった。 あえてそれには答えずに扉を開けて電気をつけて、千秋の躰をベッドに横たえる。俺が手を放したというのに、首に絡めた両腕を使って離れないように拘

  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   ―純血の絆―②その9

    *** 目の前の光景の衝撃に、息を飲んで見つめるしかできなかった。自分の父親の足元に倒れている愛する人が、いつもの姿じゃなかったせいもある。「父さん、千秋に俺の血を与えたのか!?」 綺麗な黒髪は銀髪に変わり、荒い呼吸を繰り返すくちびるの隙間からは鋭い犬歯が見えていた。 胸が押しつぶされそうな感覚に陥りながらも千秋の傍に駆け寄って、冷たい躰をぎゅっと抱きしめた。「何で……、どうしてこんなことを。千秋に何を話したんですか?」「前回、君が私と話をしたときに言いましたね。千秋が死んだら、自分も同じ道をたどると」「はい。今もその決心は変わっていません」 しゃがみ込んだままでいる自分に視線を合わせるためなのか、同じように膝をついて顔をつき合わせた父さん。その表情はとても苦しげなものに見えた。「自分よりも早く命を絶とうとしている穂高のことが、辛くてなりませんでした。順番でいくと、父親である私が先に人生を全うすべき存在なんです。だからこそ親として、子どもが先に死んでいくという事実を受け入れることが、どうしてもできなかったのです」 千秋の躰を抱きしめる両腕に、自然と力が入る。「だからってそれに千秋を巻き込むことは、非常識だと思います。父さんのエゴを押しつけて、こんな姿に変えてしまうなんて……」「私の気持ちを伝えた後に、千秋本人が言いました。『人として短い人生を送るよりも彼と長く一緒にいられるのなら、半妖として生きます』と。二度と人間に戻れないことも再度言い伝えましたが、彼の気持ちは変わることはありませんでした」「千秋……。俺と一緒にいるためだけに、自分が苦しむことを選ぶなんて」 吸血衝動は喉が渇くという生易しい表現じゃない、喉全体が干上がって焼けつく感覚はとても苦しく、身悶えてしまうものだというのに――。「穂高を想う強い気持ちで千秋は吸血衝動と向かい合い、打ち勝っていくと信じています。ですが、彼がそれに負けて誰かの血を口にしたときは――」 どんどん沈んでいく父さんの声に、たまらず顔を背けてしまった。「ヴァンパイア同士の血は飲むことができないので、俺は死にます」「千秋以外の血を、口にすることをしないのですか? そうすれば彼とともに生きられるのですよ?」 ヴァンパイアとして、千秋と一緒に命を長らえる。それはとても魅力的なことだというのが分かるが、彼

  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   ―純血の絆―②その8

    手にしたアンプルを目の前に掲げながら、音もなく差し出したお父さん。それが天井から吊るされているシャンデリアの光を受けて、キラッと光り輝いた。「これを使うかどうかは、千秋が決めてください。穂高の運命を、貴方の選択にゆだねます」 穂高さんによく似た低い声。それはとても静かに告げられたものだったのに、鼓膜に響くように聞こえてきた。「それを使いたいです。人として短い人生を送るよりも彼と長く一緒にいられるのなら、半妖として生きます!」 選択に迷いはまったくなかった。 お父さんが穂高さんを長らえたいという想いが一致したのもあるけれど、一分一秒でもいいから愛する彼の傍にいたいという強い気持ちが、迷いを一瞬で消し去った。「千秋がこれを飲めば、半妖になることができます。ただし口に含めば、二度と人間には戻れません、それでもいいですか?」 ふたたび俺に問いかけてきたお父さんに歩み寄り、右手を差し出した。「穂高さんを愛しているから、迷うことはないです」「ありがとう、千秋」 寂しげな笑みを浮かべたお父さんは視線を落とし、親指でアンプルの上部をへし折って、中身が飲めるようにしてくれた。それを受け取って、躊躇うことなく一気に飲み干す。 口の中に血の味を感じた瞬間に、喉が焼けつくような嫌な感覚にとらわれた。「くっ! ううぅっ……」 持っていたアンプルを放り投げて、首元を押さえながらその場にうずくまった。襲いかかってくる目眩や妙な浮遊感に気持ち悪くなり、息を大きく吐き出しながら意識を手放した。 穂高さんの純血が俺を半妖に変えるそのとき、扉の開く音が耳に聞こえてきたのだった。

  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   ―純血の絆―②その7

    *** 隣で寝ている穂高さんのあたたかさで、ふと目が覚めた。 暗闇でわからないけれど、吸血鬼のときよりもあたたかく感じるということは、人間の姿に戻っているのもな。 ぐるる〜! 人としてのあたたかみを嬉しく感じていたら、恥ずかしくなるくらいにお腹から大きな音がした。イタリアに来てから何も食べていなかったし、適度に運動しているせいでお腹がすくのは当然だろう。 疲れ果てて寝ている穂高さんを起こさないように起き上がり、床に散乱している自分の衣類を着て部屋から出てみた。 この部屋に来たとき同様に薄暗い廊下を突き進み、螺旋階段を降りて一階を目指していたら、穂高さんのお父さんが階段を上がろうとしているのが目に留まった。「あ、あの……」「グッドタイミングでしたね。夕飯の時間になったので、声をかけようと思ったのですよ」 柔らかくほほ笑んで、来た道を戻って行くお父さんの後ろについて歩いた。「済みませんでしたね、千秋。穂高が貪るように食事をしたみたいで」(ひえぇっ! 一階まで声が聞こえてしまったのかな)「いえ……。大丈夫です」 恥ずかしすぎて顔を上げられず、テーブルについても上気した頬を隠すように俯いたままでいた。目の前には美味しそうなスパゲッティやピザ、グラタンなど洋食が所狭しと並べられていて、どれから手をつけていいのか迷ってしまう。「遠慮せずに、好きなものから食べてください。ここまで来るのにお腹が空いているでしょう?」「はい、戴きます」 一番手前にあったコーンスープに口をつけてみる。とうきびの甘さが、塩コショウでとても引き立てられていた。両手で握りしめたカップの温かさが伝わってきたお蔭で、躰がリラックスする。 俺の食べる様子を眺めていたお父さんも真ん中にあった大きなチキンを手に取り、美味しそうに頬張った。人間の姿をしているときは同じように食事をするんだなぁと、チラチラ見つつ自分の食事を進めていった。 お腹がいっぱいになったところで手が止まると、それを見計らったようにお手伝いさんの手によってコーヒーが置かれた。「ご馳走様でした。どれも美味しく戴きました」 出されたコーヒーに手をつけず、まずはお礼を言わなければと先に口を開いた。するとナプキンで口元を拭ったお父さんが浮かべていた笑みを消し去り、俺の顔をじっと見つめる。「お腹がいっぱいになったとこ

  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   ―純血の絆―②その6

    「ほらかさん……、き、て」 性的な衝動に駆られながらも、頭の片隅に残っていた理性で考えついたこと。 穂高の父が告げた『食事』という言葉の意味が、現在自分がされている行為そのものだっていうことと、それをしなければ吸血鬼である恋人の力が戻らないことが分かった。 一方的なそれは穂高が生きるための食事であり、自分はただの食材という立場で愛情を感じられないけれど、それでも受け入れてあげたいと思った。自ら差し出すもので愛する人が生きられるのなら、喜んで提供しようと自然に考えついたから――。「千秋、愛してる」 甘いささやきとともに皮膚を貫く痛みと快感が入り混じり、奥歯を噛みしめながら躰を強張らせた。血を吸われていく内に下半身がふたたび硬度を増して、精気が充填されていく。「はあぁあっ! やっ、舐めないでっ」 じゅるじゅると吸い上げながら蠢く舌に感じて、足をジタバタさせてしまった。 さっきまで苦しげだった表情が一転して生気に満ち溢れた姿になった穂高さんが、突き立てていた牙を抜き取り、じっと自分を見下す。「甘露な味のする、君の血を味わいたかったんだ。感じさせるのに舐めていたわけじゃない」「うっ……」「でも今はこの手で、感じさせたいと思ってる。ただ精気を吸うだけじゃない。千秋を愛したいから」 目を閉じた穂高さんが近づいてきたので、自然と瞳を閉じた。重ねられるくちびるから差し込まれた舌を伝って自分の血の味を感じたけれど、それもほんの一瞬の出来事だった。今まで味わったことのない甘美なものが欲しくて、穂高さんの首に自分の両腕を絡ませる。 貪るように深く舌を絡ませて、自然と流れてくる唾液を飲み込んだ。「んっ、も、もっと欲しい」 更に飲み込もうとしたら、逃げるように顔を外されてしまった。「今の俺の唾液には催淫剤が含まれているから、あまりあげられないんだ。これ以上あげると千秋が壊れてしまうからね」 切なげに瞳を細めながら躰を起こして、俺の上半身を両手で弄りはじめた。「いじわる、しないで……。っ、んぅ……あっ、穂高さんがほしいよ」「それならココに唾液をあげようか。千秋、覚悟しなきゃいけないよ」 穂高さんが自分の口に人差し指と中指を突っ込み、たっぷりと唾液を滴らせてそれを後孔の入り口に塗ったくった。「ぁ……っ、ひゃんっ、あっ、もっと……もっと激しくして! んあ

  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   ―純血の絆―②その5

    「ち、あきっ……、ぁあ、千秋っ、はや、く血を……」「俺の血を飲みたいの?」 恐々と声をかけたのが合図になったように、赤い目を光らせながらいきなり起き上がって俺の左腕を掴んで引っ張ると、ベッドの上に磔にされてしまった。 俺に跨っている穂高さんは、息を切らしたまま苦しげに顔を歪ませていた。それに見惚れる間もなく日の光を浴びた金髪が音もなく近づいたことに驚いていたら、首筋の皮膚を突き破る痛みを感じた。「いっ!」 だけど痛みを感じたのは一瞬で、その内に首筋を愛撫されているような感じに思えてきた。それは時折舌先で、肌を舐められるせいかもしれない。「ああぁっ、やっ!」 じゅるるという血をすする音を聞いている内に、変な気分になると同時に下半身がどんどん熱くなっていく。それが分かっているのか、穂高さんがズボンのファスナーを下ろして手を突っ込み、大きくなったモノを引っ張り出した。(何もしていないのに、どうしてこんなことになっているんだ!? しかも突き立てられた穂高さんの牙が、熱くて堪らない。それを感じるたびに下半身が疼いてしまう)「らめぇっ……ほらかさ、触らないで」「千秋、声を落とさないと外まで響いてしまう。昔の家は壁が薄いから、簡単に声が漏れてしまうんだ」 首筋から顔を上げた穂高さんが、困った顔してお願いしてきた。「だっだったら、俺のを握ってる手を外してください。じゃないと声が出っ放しになってしまうよ」「それは無理な相談だな。千秋の精気を、たっぷりと戴かなければならないからね」 言うなりパクっと咥えて裏筋に舌を絡ませながら、ゆっくりと上下にスライドされてしまい――。「ぁんっ! もう駄目ッ、イクぅっ!」 穂高さんがしているコトはいつもと変わりないのに、なぜだかすぐに達してしまった。それを喉を鳴らしながら、美味しそうに飲み干していく。しかも痺れるような快感がまだ続いていて、頭と躰がどうにかなってしまいそうだ。「千秋、悪いがもう一度同じことをするよ」「も……いち、ど?」 言うなりズボンを手際よく脱がせてから、着ていた服にも手をかけて脱がせられてしまった。その間もうまく躰に力が入らなくて、穂高さんにされるがままになっていた。まるで麻酔薬でも使われた気分。「ん、俺に力が戻ったら千秋を愛してあげる。いつもよりも、念入りに愛してあげるよ」 煽情的に赤い

  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   それが恋だと気づくまで――④

    ***(身体が重だるぅ……) うつ伏せのまま冷たい床に横たわりながら、グッタリしていた。 行為から時間が経ってきたせいで、火照っていた身体がどんどん冷えてくる。傍に落ちていた自分のブレザーに手を伸ばして羽織りながら、目の前にいるふたりに視線を飛ばした。「んもぅ、先輩ばっかズルいですって。藤田先輩と2回も立て続けにヤるなんて」「これは、いつものお約束なんだよ。それに俺がヤってる最中、お前のを藤田が尺って気持ち良くしてもらっていただろ」「だけどイケてないんですよ。辛すぎます!」 3Pを楽しむみたいなことを言ったくせに、実際は先輩が挿入してから数分で、1年の身体を俺から引き離した。

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-02
  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   想いを重ねる夜9

    ***(どう考えても道中のやり取りを、お父さんに聞かれただろうな……) 自宅に到着した途端に、自分で穂高さんの背中から降りようとして、あたふたともがいたお父さん。不機嫌そうな顔色や態度で、道中のやり取りを聞かれたとすぐにわかった。 穂高さんが慌ててしゃがんだら、お礼も言わずに玄関に降り立ち、さっさと靴を脱いで人ン家の中に一番に入ってしまった。「ありがとうございます、穂高さん」 代わりにお礼を言って、暗闇の中だというのにリビングに行ってしまったお父さんを追いかける。失礼極まりない態度に、俺の中のイライラが増していった。「千秋、笑顔を忘れているよ」 壁にあるスイッチに手を伸ばした瞬

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-29
  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   過去への灯火

    「……うっ、いたっ!」 きりきり痛む頭を押さえて、横たわっていた場所からゆっくりと身体を起こしてみた。 しっかりと目を見開きながら周りを見渡してみたのだが、そこは真っ暗闇で何も見えない様子がまるで、さっき沈んでしまった海の底のようだった。(――もしかしてここは、死後の世界なんだろうか) 痛みを伴う頭はそのままに、自分の身体のあちこちを触ってみたけど、生きているときの感触と何ら変わりない状態に、首を傾げるしかない。 恐々とその場から立ち上がって周囲にしっかりと目を凝らしてみたら、光り輝いている丸いものを見つけることができた。 両足を踏みしめて足元が大丈夫なことを確認しつつ、その丸い

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-26
  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   残り火2nd stage 第2章:波乱万丈な夏休み2

    *** ここに来てからというもの、すべてのタイミングがズラされる。まるで俺の計画を、見事に邪魔をするような感じに思えてならない。「穂高さん、はいどうぞ」 テーブルに並べられた、たくさんの和食ご膳を美味しそうに食べながらお酌をしてくれる千秋。「……ありがとう」 注がれた地酒を一口だけ呑んで、ぼんやりと外を眺めた。さっきまで一緒に入っていた、檜の露天風呂が目に入る。 背中の流し合いをし(手を出そうとしたら睨まれたので我慢した)一緒に湯船に浸かった瞬間、それは聞こえてきた。「ねぇ、何か声が聞こえない? 風に乗って」 千秋が眉根を寄せて、衝立の向こう側に指を差す。さっきまでお湯を盛大

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-17
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